桜桃記(ひとひら)

駅のホームに 散る花びら
雨に 流れてゆく
見送りの 友達にかこまれて
笑ってる あなたの声が
ぐんぐん 遠くなるわ

いけないことね 想い続けるなんて
辛い 辛い しあわせ

だから さよなら さよなら
さよならを ください
好きと 言えないから
春に生まれた 心は
春に 消えてゆくの
そして いつか 忘れるの

二人 はじめて 手をつないだ
夏の最後の海
恋なんて 残酷ね
思い出を たぐっては
白い波に さらわれる 桜貝よ

発車のベルが 今も耳に残るわ
これで これで 終わりと

だけど 逢いたい 逢いたい
逢いたい もう一度
好きと 言えないまま
風が運んだ 季節は
風が つれ去るのね
あなた 追いかけたけれど

だから さよなら さよなら
さよならを ください
好きと 言えないから
だけど 逢いたい 逢いたい
逢いたい もう一度
好きと 伝えられぬまま
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