他人妻

待たされつづけた 恨みも忘れ
逢いたかったと 腕の中 腕の中
ふたりで過ごす 夜だけは
私のことだけ 考えて
おんなの羞じらい 脱ぎ捨てて
あなたと炎えたい私です

あなたのこの指 この口唇は
私ひとりの ものじゃない ものじゃない
妬いても仕方 ないけれど
今夜は忘れて あの女を
吐息にかすかな 絹の音
あなたに乱れる 女です

幸せ残り火 消えない肌で
肩に上着を 着せかける 着せかける
今度はいつと 甘えても
黙って帰りを 急ぐひと
笑顔で見送る この胸に
涙がかなしい 私です
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