冬暦

冬の日に出逢う人は
温もりを胸に秘めてる
かじかんだ指先にも

その人に出逢う時は
突然のすれちがいでも
いくつもの夢を見る

春の日を待ちわびていたあの頃
暑い日射に焼けた素肌残しても
時は流れ ふり返れば夏よ

秋の日がハヤを染めて
川面うつ そのあざやかな紅は
いつの日も

つり人は いつの時も
美しい自然を見ては
流れゆく時を知る

目を閉じれば 鳥の声 山並を渡る
街の灯りが すこしまぶし過ぎる頃
春の風が 冬暦をめくる
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