地下鉄は空っぽ

君のことばかり
考えてたら
地下鉄の中は
空っぽになる
あんなこと
言わなきゃよかった

ラッシュに歯がゆく
体あずけた
僕のせいじゃない
押し合う肩
やるせない
グレーの景色

窓を流れるのは
ほんの少し前に
それとなく
打ち明けた
そのあとの
長い沈黙

ガールフレンドと
気軽に呼べば
君はいつだって
腕を回した
昨日まで
ぎこちなさもなく

広告の文字に
ため息ついた
「なぜ人は人を傷つけるの?」

いつか二人
話したけれど

もしも君の心
覗くこと出来たら
僕だって
今すぐに
知りたくて
恋のゆくえを

ドアが閉まる前に
駅の階段へと
消えて行く
君はなぜ
いつもより
冷たいそぶり
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