時が沈む湖

「この街の川の流れには
まるで自由がないのね」
君がふとつぶやけば それが恋の答

川を止めたコンクリートに
戸惑う魚の群れを
君は今その胸に泳がせているの?

激しい雨の後 海へと向かう
恋の流れ止める 河口堰

欲望という名の街が
森を変えて行くように
知らぬ間に目の前の 幸せに溺れて

あるがまま流れる川
踏みにじるブルドーザー
こみあげる想い出を 濁らせてしまう

恋に落ちた頃のあのせせらぎは
深い森のどこに眠るの

やがて何台ものダンプの後に
恋も底に沈む湖

二度と帰らぬ日のあのせせらぎは
深い森のどこに眠るの

やがて何台ものダンプの後に
恋が底に沈む湖
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