夏の流星

夏まぼろし
それは時の流星
夜流れる
君は時のしずく

下りてきた石段
君に息を飲む
なんて初めての
浴衣が似合うのか

ロケット花火の音が
遠く聞こえるだけ

夏まぼろし
それは時の流星
夜流れる
君は時のしずく

そして風が止まる
今が苦しくて
君は指先で
風鈴を弾いた

橋を渡る夜行列車
遠く見送るだけ

夏通り雨
短冊を濡らして
窓流れる
君は時のしずく

ロケット花火の音が
遠く聞こえるだけ

夏この頃
閉ざされたビルの窓
ふと都会の
憐れみすら感じた

夏まぼろし
それは時の流星
夜流れる
君は時のしずく
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