メガロポリスの錯覚

あの頃は
カミカゼを
打ち落とした
アメリカに
次の拳を
見せられても

我が国の
政治家も
渋谷駅の
若者も
忙しくて
構えない

ah-
今夜は
何処へ行こうか
風になろうか
このまま
夢見て眠れない

ある日から
父親は
髪を染めた
娘らに
流した汗の
答を知る

いつの日か
子供らは
「親育て」の
本を読み
育親書が
流行るだろう

ah-
今夜は
何処へ行こうか
誰と行こうか
昨日の
夢見て眠れない

インテリの
ホームレスが
指をさして
笑うのは
時の流れを
恐れる人

武器を持つ
教徒達
袈裟をかけた
ブルジョワに
祈られては
たまらない

ah-
今夜は
何処へ行こうか
星を見ようか
あまりに
夢見て眠れない

幾つもの
夜が明けて
軍隊など
無い街を
誰が守って
くれるのだろう

穏やかな
日曜の
朝寝坊の
幸福を
誰が守って
くれるのだろう

もう
少しで
時が行くから
そこへ行くから
あなたに
逢いたくて眠れない
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