木の葉

はにかむ笑顔は 変わらずに
肩から懐かしい匂いがした
わざと意地悪をいう

あふれる緑は褪めて
坂道 少しさびしそうで
木々はたくましく

日向にあわせ ベンチを変えて
どこまでも話してた

伝え残した言葉
だれかの木の葉がまた
散る

寒さが 陽射しが きみが また わたしの頬をまっかに染めた
ねえ きみはずるくなんかないよ
ごめんね

いつしか
先急いで暮れてゆく陽の 影にのまれ

強い風になって 思い出までもさらってしまえば

寒さが 陽射しが きみが
少しずつ そっと ぬくもりに変わるとねがう
おだやかな目

泣かないよ
ごめんね
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