ある夜

せかいじゅうの いろんなしがらみを
隣の星に置いておいて
きみと だきあってたいな

外は凍る風
かたばったこころを きみの砂地に 横たえて
いまは 眠ってたいな

そしてどれくらいの時間が過ぎたのか
ぼくは目覚めて 呟いた
まだ夜明けはこない だがこの胸には浮かんだ

月のまるい夜のこと

駆けるようにことしも過ぎてゆき
たくさんの あたらしい世界を見ました
白く眠る夜の傍で なんども
噛み締めていました きみと歩いた季節を

そしてどれくらいの時間が過ぎたのか
きみは目覚めて ぼくに云う
まだ夜明けはこないから もっと傍においで

月のまるい夜のこと

雪のようにふたりは抱き合って
たくさんの心を溶かしてきました
こんな夜が 続いてゆくのなら
この先も そんなに難しくはない

駆けるように毎日過ぎてゆき
足跡も残さず 忘れてゆくだけ
だから ぼくは過ぎゆく年の終わりに
こうして永遠の詩に残したく

またひとつ 目覚める朝に届けたく
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