旅詩

風の町 旅のつれづれ 灯が点りゃ
半端がらすの おいらの胸に
じんと泌みるよ 湯の煙り
流れて他国の 仮の宿 今日もまた
街道すずめよ ねぐらはあるか
早くお帰り ああ日が暮れる

旅の空 人の情けと 浮き雲は
風の吹くまま 東へ西へ
旅でござんす この俺も
茜の山々 鳴いて飛ぶ 夫婦どり
やくざな俺にも 昔はいたよ
胸にすがって ああ泣いた奴

北へ行く 夜行列車の 哭き笛が
遠い故郷の 想い出ゆすりゃ
旅の酒さえ 苦くなる
達者でいてくれ おふくろよ おふくろよ
はぐれて三年 ちぎれて二年
今はどうして ああいるだろか
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