長崎悲歌

青い波散る 長崎の
夜の巷(ちまた)に 咲く仇(あだ)花よ
なぜに降るのか 心の傷に
更けて冷たい 霧の雨

山も燃えるか 君ゆえに
秘めてせつない 男のこころ
ひとり牧場(まきば)の 夕空ながめ
涙拭(ぬぐ)えば 風が吹く

紅(べに)の月さす 窓陰に
肩を寄せれば 流れる涙
みなと長崎 マリアの鐘は
だれが鳴らすか 身にしみる
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