離郷の歌

屋根打つ雨よりも 胸打つあの歌は
二度とは戻らない 宙(そら)の流れ
何ひとつ変わらず人々は呼び合い
応(こた)える我が声に 夢は覚(さ)める

離れざるをえず離れたものたち
残さざるをえず残したものたち

心は離れない 星は消えない
いつの日か 遠い國(くに)の歌を聞かせよう

屋根打つ雨よりも 胸打つあの歌は
二度とは戻らない 宙(そら)の流れ

行(ゆ)く手に道無く 況(ま)して待つ人無く
水に書く恋文 海へ還(かえ)れ

汚れざるをえず汚れたものたち
埋(う)もれざるをえず埋(う)もれたものたち

何もかも全てを連れてゆけたら
喜びも涙さえも 連れてゆけたなら

行(ゆ)く手に道無く 況(ま)して待つ人無く
水に書く恋文 海へ還(かえ)れ

離れざるをえず離れたものたち
残さざるをえず残したものたち

屋根打つ雨よりも 胸打つあの歌は
二度とは戻らない 宙(そら)の流れ
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