ばら線の庭

気が狂う 人さらいの風
頬を切る

腕に巻きつくばら線と
家路を急ぐ野良犬が
音もなく哭いている

性もないのに嘘をつき
無理に笑ったその笑顔
狡さを隠し続けてきた

土を掘り きみの手に骨
光るだろう

朝が白んだその時に
湿った庭が森になる
罪もなく匂いだす

杭にもたれて力なく
身も心も曝け出す
弱さは隠し通せたかな
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