花瓶のうた

凍れた朝にぽとり
歌うような声だよ
窓辺の花に水をやる
あなたの背中を見ている

届かない便りを待ち
やがて伸びてゆく影
子供みたいに立ちつくす
あなたの背中を見ている

薄雪の森を 飽きもしないで走る
唸りをあげろ 白い息 肺がちぎれるまで

温んだ風と遊ぶ
静かすぎる朝だよ
窓辺に置いた花を枯らした
歌うよ 意味ないけど
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