優しい怪物

目に見えることが 全てじゃないと 涙は流れず 瞳は虚しい

信じたものが 手渡される度に 一人になれたら どんなにいいと思う

晴れた日の朝に 私は歳をとって 生まれてくる君の前に 広がる 気配

手に負えない 優しさだけが照らした 怪物たちへ

挨拶もなしに 飛び込む街の 記念写真は 受け取れないから

寂しげなままで 手招きする影と 雨が降るまで そばにいてあげたなら

月の出た夜に 私は生まれ落ちて 眠り込んだ君のそばで 言葉を 紡ごう

見とれていた いつか誰かが愛した 怪物たちへ
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