恋の舟

噂の風に 逆らいながら
ひとり漕ぎ出す 女の小舟
好きだから 好きだから 儚い恋だけど
港しぐれが 降る夜は
枕濡れます あぁ 逢いたくて…

波間にそっと 名前を呼べば
灯影(ほかげ)ほのかに 寄りそう小舟
夢でした 夢でした 叶わぬ夢だけど
逢えば別れが くるものを
淡い残り香 あぁ いとしくて…

運命(さだめ)の波に 流されようと
ついて行きたい 女の小舟
好きだから 好きだから 儚い恋だけど
霧笛ひと声 鳴く夜は
ひとり手酌が あぁ せつなくて…
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