風信子

僕の髪の毛を ひとすじ
指に巻きつけて待つという
お前の黒い瞳の色が
ブルーに変わる綺麗だよ

映画のセットのようだね
土煙走る冬の駅
まつ毛に涙はしらせながら
お前は影を見ていたね

風信子 都会へ行っても
風信子 風で知らせるよ
風信子 枯れずに待っててくれよ

あれから半年流れて
街へ来ないかと手紙を書く
返事にゃそうさ 「うぬぼれないで」
七文字 それがピリオドさ

風信子 音もなく咲いて
風信子 声もなく散った
風信子 無口なお前のようだ

白黒の写真の想い出
ひとつ鮮やかに残る色
お前の黒い瞳の色が
ブルーに変わる風信子
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