湯の町情話

窓の下から ささやくような
川のせせらぎ 枕にさわぐ
あなたこの手を 離しちゃいやよ
愛を誓った いで湯の里の
朝がまぶしい 夏もみじ

わたしあなたの お魚ですと
そっと甘える しのび酒
あなたこの手を 離しちゃいやよ
酔って畳に 解いた帯が
川になります おんな宿

燃えて何度も あなたに散った
あかい契りの 一夜花
あなたこの手を 離しちゃいやよ
遠く聴こえる かじかの声が
耳に今でも 残ります
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