しょっぱい三日月の夜

うおう!うおう! うおう!うおう!…

逃れようとする この俺と 突っ走る俺が
憎みあいながら腹の底でひっくりかえってる
ひからびた手と手をつなぎあい
よくもここまで来たものだ
うおう!うおう!と負け犬が吠えてる
そろりそろりと月が昇るたびに
あゝあたりまえの男に会いたくて
しかめっ面したしょっぱい三日月の夜

うおう!うおう! うおう!うおう!…

真面目に生きぬく事がなぜにバカバカしいんだろう
人と会う事が無性にわずらわしくて
疲れ果てた身体まるめ女のふとももで眠った
うおう!うおう!と俺の肩がきしむ
そろりそろりと月が昇るたびに
あゝあたりまえの男に会いたくて
しかめっ面したしょっぱい三日月の夜

あっちの水は苦いぞと唄えば
こっちの水は甘いぞと誰かが言う
あゝあたりまえの男に会いたくて
しかめっ面したしょっぱい三日月の夜

あゝあたりまえの男に会いたくて
しかめっ面したしょっぱい三日月の夜

うおう!うおう! うおう!うおう!…
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