真空オールドローズ

信じきれぬことばかり言うね
不安定だ 受話器隔て
腐った愛 過干渉のせいだ
わからなくなってしまえたら

駐車場に捨てた鈍色と
凍えていく夜に待つ摩天楼
黙っていないで教えてよ

傍にいてもなぜだか嫌な予感がするの
たったの数秒息をとめることすらも怖かった
触れる温度はあたしには少し熱くて
囁かれるたびに壊したくなって嫌になる

あたしには少しも関係ない
今のあなたが何に傷付つこうとも
日の出を辿る、
責められることも今や厭わない

唯だらだらと日々を食らい
なんであの時出逢ってしまった
西陽が差して、
時は進めどもあなたを許せない

薄くなぞった東西線
騙し騙し迎えて午前二時
多分きっと不要な弁解も
あなたが望むならば叶えよう

あの日あたしは従順に
全部わかっていたけど従順に
下手すぎる芝居だって笑って
それが愛情だと思っていた

いつもそこに最後がある気がしてたから
問いただすことなど愚かなことよ無粋でしょう
オールドローズがふしだらに香り蔑んで
隣にいたって結局あたしたちは一人きりなんだ

あたしには少しも関係ない
今のあなたが誰を愛していようと
陽に背いて、
重ねた熱もひとつにはならない

嫌だ嫌だ拒む十六の今日
知ったことかよ あゝまた堕ちていく
西陽は差して、
二人の横顔に応じている

衛星都市に聳えたつ因果
観覧車が見せた世界は
左手 口遊む声を
あの日になくした さよなら

あたしには少しも関係ない
今のあなたが何に傷付つこうとも
日の出を辿る、
責められることも今や厭わない

唯だらだらと日々を食らい
なんであの時出逢ってしまった
西陽が差して、
時は進めどもあなたを許せない

あたしには少しも関係ない
今のあなたが何に傷付つこうとも
茜の下で、
時は過ぎ去る二度と会うこともない

唯だらだらと日々を食らい
なんであの時出逢ってしまった
西陽が差して、
時が殺してくあなたがいなくなる

もういらない
甘すぎた匂い
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