酒と泪と男と女

忘れてしまいたいことや
どうしようもない寂(さみ)しさに
包(つつ)まれたときに男は
酒を飲むのでしょう
飲んで飲んで
飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて
眠るまで飲んで
やがて男は静かに
眠るのでしょう

忘れてしまいたいことや
どうしようもない悲しさに
包まれた時に女は
泪(なみだ)みせるのでしょう
泣いて泣いて
ひとり泣いて
泣いて泣きつかれて
眠るまで泣いて
やがて女は静かに
眠るのでしょう

またひとつ女の方が
偉(えら)く思えてきた
またひとつ男のずるさが
見えてきた
俺(おれ)は男
泣きとおすなんて出来ないよ
今夜も酒をあおって
眠ってしまうのさ
俺は男 泪は見せられないもの
飲んで飲んで
飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて
眠るまで飲んで
やがて男は静かに
眠るのでしょう
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