神経

息を吸うその背中
かすかな光が雨の線を浮き彫りにする
戻れないよ 破れた傘を燃やす

片目を閉じて 指の先から
冷たい空気裂いていく
片目を開ける 左肩に
虫の羽音を感じた

外気の流れに逆らうのは
僕の意志じゃない なにかで
人ごみを 駆け抜けるのさ
朝の月が綺麗だな

皮膚から変わる
中身は既に透明である
皮膚を通して伝わる

文字の断面を入れる

片耳閉じて骨の軸から
新たな雨を切っていく
ハサミを使うことはない
きもちくて あざやかに

外気の流れに逆らうのは
僕の意志じゃないなにかで
人ごみを駆け抜けるのさ
朝の月が綺麗だな
×