バンドワゴン

夏がまだ残る 重い夜風に月
急ぐ車輪が素通りする
シグナルは赤点滅
バスのほか誰も 目的地は知らず
忘れ物はもう 遥か遠く

おりて引き返す 仲間たちもいたよ
道々ころころ 僕は今もバスの中

もう何も もう何も
惑わないはずだった
もう二度と もう二度と
あのこには会えない

乗り遅れまいと 荷造りもそぞろに
騒ぎ疲れて 眠る夜を
あといくつ 数えるだろう
僕はまだ 君を抱きしめてもいない
砂煙りを吐き バスは風の向かう方へ

もう誰も もう誰も
残ろうとしなかった
もう二度と もう二度と
帰れない花道

神さま
もう何も もう何も
惑わないはずだった
もう二度と もう二度と
あのこには会えない
終われない花道
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