歌一輪

北の大地で産声あげた
幼き娘は 夢抱(いだ)く
幾星霜(いくせいそう)の 時は過ぎ
名もない花は 実を結び
決めたこの道 ひとすじに
命をかけた 歌一輪

雨に嵐に さらされながら
心が折れそな 日もあった
電話の向こう 母の声
くじけちゃ駄目と 励まされ
倦(う)まず弛(たゆ)まず 誇らしく
想いを込めて 歌一輪

咲いた花見て 喜ぶならば
咲かせた根元の 恩を知れ
座右の銘と 父親の
言葉はいつも 胸の中
春夏秋冬 凛(りん)と咲け
真実一路 歌一輪
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