じょんがらひとり旅

ねぶた終れば 秋がきて
やがて木枯らし 雪が舞う
指の先から 血がにじむ
三味線(しゃみ)は名ばかり まだ道半ば
うなる はじける 凍りつく
男じょんがら ひとり旅

意地じゃ弾けない 太棹は
熱い命の バチで弾く
風の下北 後にして
行くはわが道 いばら道
先は地吹雪 山嵐
北のじょんがら ひとり旅

通りすがりに 受けた恩
三味線でひと節 恩返し
腹が減ったら 雪を喰い
ゆるむ かんじき また締め直す
叩く 揺さぶる 突き刺さる
燃えてじょんがら ひとり旅
×