つめたい火傷

ねぇ 今
愛してると
伝えようと
両刃(もろは)の剣(つるぎ)

とうに
夜は明けていたの
ちがう雲が
平気な顔して
行くだけ

あなたから
あなたから
もらった
うれしいこと
ばかりが

私には
私には
輝いて
見えるだけ

二人は
鐘を鳴らす
からくりなしの
やさしい雨に
どうして
笑えよう
まだ そんな強さも
ないんだっけ
ってね

ねぇ ただ
愛してた?と
たずねようと
流れは早く

ずっと
しがみついていたの
同じ場所で
焼け落ちて
しまった体

愛しても
愛しても
彼方に
陽炎が
ゆらりと

離れても
離れても
輝いて
見えただけ

あなたは
明日を行く
海原を見る
くじらのステージ
笑って
見送るの
まだ そんな強さも
ないんだってのに

二人は
鐘を鳴らす

どうして
笑えよう

ねぇ
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