イブの物語

あれははじめての
イブの夜でしたか
閉店間際の
古びたレストラン

家路を急ぐ人の影
窓の向こうに雪の空

少しはにかんで
そっとにぎったてのひらに
あなたの気持ちが
確かにありました

あれは何度目の
イブの夜でしたか
ささいな理由で
喧嘩もしましたね

冷めたチキンと 待ちぼうけ
ひとりぼんやり寒い部屋

だけどさみしさは
きっとふたりを繋いでいた
おんなじ気持ちが
あのときありました

今日で何度目の
イブの夜でしょう
重ねた時間も
大事な贈り物

はずかしがりの人なのに
抱いて帰った薔薇の束

こんな幸せが
ずっとずっと続けばいい
嬉しい気持ちが
涙になりました
Merry Christmas for you
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