氷菓

立ち止まり 息殺した 目の前を夏が過ぎた
時計は壊れたままだし 駐車場に座り込んだ

夏飛沫 悲しく透かして見た夕方の記憶は途切れて
揺れている陽射しに
つめたい八月の結晶は程なく溶け切ったんだった
火照った口の中

このままでいるならば
最後には燃え尽きて
汗染みたシャツを脱ぎ捨てたら感傷
くだらない夢の中

夏飛沫 眩しく透かして見た夕方の記憶は途切れたままで
熱っぽいままで
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