時に…はぐれて

久しぶりの見馴れた街
こんな場所に鏡のビル
時にとり残されてた

五分前に失くした愛
気配さえも知らないまま
時に頬杖ついてた

この涙にかわるもの すべて
この瞳に映したい いま
それが影でも少し慈(いと)しければ

あなたに似た人は
舗道(みち)ごとにいても
ああ誰ひとり あなたじゃない

瞳をふさいでも
ふさいだ瞳に
ああ、たっている
出逢った日の あなたが……

いつか胸にとどいた髪
不意の雨が濡らしてゆく
時にやすらぎすぎてた

この傷みにかわるもの すべて
この心に抱かせたい いま
それが嘘でも少し優しければ

あなたと呼ぶ人に
逢える日がきても
ああ、それはもうあなたじゃない

心をとざしても
とざした心に
ああ、棲んでいる
交わした日の あなたが……

あなたと呼ぶ人に
逢える日がきても
ああ、それはもうあなたじゃない
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