魔法

空に風船が飛んで行く
何気に見惚れた 時間が止まったかのようだ
簡単なことが どうしてだろう
言えない 伝え方もわからない僕も止まってる

生きているから 嘘もつく
優しいといえば 格好もつくのだけれども
金属音が鳴り響く
ボールを見つめ 答え捜している

風が心地よく 吹いたんだ
その時 貴方が見えた気がした

魔法にかかれば 貴方が
ここで笑っている気がして
守るための 勇気は
ズボンのポッケの中にある
ここで お別れと初めましてを繰り返す
思い出が生まれた日

僕がここにいることは
貴方といた過去が存在しているから
思い出にはしたくないのに
今は残酷にいまを連れて行った

待っていた人が確かにいたんだ
気づけなかったことに
気が付いてしまった後に

あふれる想いの 一つも
上手いことなんで伝わらないの
離れて行く 腕に
少し伸ばしたら届きそうだった
今 会いたいと 会いたいと叫ぶには
僕は弱すぎた

割れる風船 消えるボール
止まっていた時が動き出す
探す影 揺れ動く蜃気楼のように
魔法は解けていった

魔法をかければ 貴方が
隣で座っている気がして
守りたい本当は いつでも
ズボンのポッケの中にある
ここで お別れと初めましてを繰り返す
思い出が生まれた日

貴方とここにいたと
気付いた時に思い知る
魔法にかかったこと
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