鬼灯

夏の終わりの 故郷の道で
赤い鬼灯(ほおずき) 色を増す
ほおずき ほおずき あの人の
笑顔に灯(あか)り 点(つ)けとくれ…
離れて会えない あの人が
心の風邪など 引かぬよに

夢に疲れて 都会の路地で
赤い提灯(ちょうちん) すがる人
ほおずき ほおずき その人の
淋しさ一つ 分(わ)けとくれ…
温もり通わぬ この恋に
今夜はあの人 連れて来て

迷う恋路の 明日の先を
赤い鬼灯(ほおずき) 照らし出せ
ほおずき ほおずき この胸に
しあわせ灯(あか)り 点(つ)けとくれ…
わたしは今でも この町で
面影相手に 暮らしてる
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