白い着物

女は生まれて 死ぬまでに
白い着物を 三度着る
おまえの寝顔を 守りたい
産着(うぶぎ)の白さが 親ごころ
すこやかに 育つのよ
母の願いは 一つだけ

女が二度目に 着る着物
無垢(むく)な花嫁 嫁ぐとき
つないだ縁(えにし)は 宝もの
古着の数だけ 想い出を
たいせつに 畳(たた)んだら
母は感謝の 嬉し泣き

女が最期(さいご)に 着る着物
親に見せたら 親不孝(おやふこう)
人生いろいろ あるけれど
涙がしあわせ 連れてくる
ほほえんで 生きるのよ
母の祈りは 千年も
×