最後のジェラシー

夕暮れ間近の 公園通り
一人駆け込んだ 小雨のカフェテラス
ドラマでよく見る 気まずい場面
あなたとこんな所で 逢うなんて
気づかない振りをして あげても良いけど
あんまり幸せな 顔しているから
チクリ…バラの棘 心に刺さって
思わせぶりに 名前を呼んだ
最後のジェラシー…

あなたの隣で 微笑む女(ひと)は
白いエプロンの 香りがしてくるわ
私が選んだ ルビーのピアス
彼女の耳で 優しく揺れていた
幸せの邪魔をする つもりもないけど
突然理由(わけ)もなく 憎らしくなって
ポツリ…別れ際 「またネ」と囁き
思わせぶりに その手に触れた
最後のジェラシー…

愛なんて重たくて 欲しくもないけど
小雨に濡れながら ピアスをはずせば
ポロリ…強がりの 仮面がはがれて
思わずひとつ 涙が落ちた
最後のジェラシー…
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