モンパルナスのともしび

ごめんね 独りにして
なにも食べてないんだね
開いてる店を探して
朝まで語り明かそう

どんなに 寄り添っても
風の冷たさが滲みる
負けずにそばにおいでよ
温もりを分け合って

この街を忘れない
ふたりを会わせてくれたから

滲むような ゆれるような
モンパルナスのともしび
それよりもっときれいだった
頬つたう きみの涙

雨でも腕を組んで
わざと濡れて歩いたね
ワインとパンの袋を
何度も抱えなおして

枯れ葉が舞い散る道
雪が降り積もる夜も
季節はきみのためだけ
訪れて去ってゆく

ささやかな幸せは
かすかな風でも消えるから

かすむような むせぶような
モンパルナスのともしび
抱きしめるほど悲しかった
消えそうな きみのすべて

滲むような ゆれるような
モンパルナスのともしび
それよりもっときれいだった
頬つたう きみの涙
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