あの日の駅

小さな駅で
僕たち ふたりは
遅い夜明け
待っている

ギターを抱え
旅立つ僕には
君にかける
言葉さえない

4月の風
揺れてる花
見送る君
抱きしめても
やがて 次の汽車が
近づくのさ

僕には何ができるのか?
君だけ残して
街を捨てる
その代わりに
僕には何ができるのか?
わからないままに
未来の自分を
信じてたあの日の駅

あれから 時は
傍(かたわら)を過ぎて
“なつかしさ”に
年老いてく

君が誰かと
結婚したこと
思いがけず
知らされたけど

都会の空
見上げたって
思い出せる
花もなくて
やがて 雲がちぎれ
流れて行く

僕は何を失くしたのか?
遠くで暮して
君の愛も
気づかなくて
僕は何を失くしたのか?
わかりたくはない
昨日の自分に
問いかけたあの日の駅

僕には何ができたのか?
君だけ残して
街を捨てた
その代わりに
僕には何ができたのか?
わからないままに
あの日の自分に
もう一度 戻りたいよ
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