大破壊交響楽

春風が吹いたあの夜に 君が死んだって聞いたよ
飛び降りて 舞い散って
そして僕の世界は消えたんだ
目に映るもの映らなくて 耳にするもの聴こえない
真っ暗な街中で 君の影を探すのさ

“ぜんぶ壊れてしまえ”って

あの日のタワーもあの日のカフェも
待ち合わせしたターミナル駅も
レストランも空港も
君だけがいない から 僕もいない
だから誰もいないのさ この世には誰もいない
そのとき街から聴こえる大破壊交響楽

高層ビル群がひしゃげたら大粒の涙降らすんだ
首都高を爆破して
誰一人いなくなっても 君一人いればいいのに

君はもういない わけがない
街の何処かにいるよ
瓦礫のすきまに 閉じた本のページに
街の何処か 街の何処か 街の何処かさ

あの日のデートもあの日の喧嘩も
あの日の言葉 あの日のキスも
交わさなければ良かった
あの夜どうしてさよならも言わず
駅の改札手を振る君がいて僕はいない

ほら聴こえる

あの日のタワーもあの日のカフェも
待ち合わせしたターミナル駅も
レストランも空港も
君だけがいない から 僕もいない
だから誰もいないのさ この世には誰もいない
無人の街から聴こえる大破壊交響楽

音楽が聴こえる 聴こえるだろ 君も
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