菜の花通り

山も野風も 黄色に染まる
大きな夕日の 菜の花通り
石蹴(け)りみちくさ あの娘(こ)も今じゃ
きれいになったか 逢いたいな
さよなら三角 遠い春

あぜの案山子(かかし)が 背伸びをすれば
お囃子(はやし)ちかづく 菜の花通り
半被(はっぴ)をはずませ 神輿をかつぐ
兄(あに)さん連中の かけ声が
この頃なんだか 懐かしい

荷物ひとつで 若者たちが
街へと旅立つ 菜の花通り
見送るばかりの 日やけたベンチ
今でもあるかな あの場所に
また来て四角の 停車場(ていしゃじょう)
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