未来少女

キミは未来から来たらしい ネコ型じゃないし青くもない
僕を救うためならどうぞ 未来を変えてくれよ
見てもらえればわかるように 冴えない日常を生きてる
僕が悩む翌朝キミは いつも手紙をくれた

「自分以外の人がみんな 幸せに見えるというなら
ワタシもそういう時がある
お揃いなもの みつけてゆこう
いいこともやなことも まるごと」

楽しくもないことで笑い 泣けるほど悲しくもない
だけど 独りぼっちはいやだ 僕はずるいやつだろう
大勢ではしゃぐだけがいい 心を近づけたりはしない
悩み事は いつものことで 翌朝手紙は届く

「さびしさはひしめきあうもの ワタシもその中の一人で
言葉にはできない気持ちを 笑い話の中にうすめて
なんとか乗りこえた夜もある」

手紙はほんとにありがとう 自分だけじゃないと思えた
だけどきっと未来はきっと 誰にも変えられない

春が来ないとすねる僕のために キミは

桜をビンの中に詰めて 小高い丘に駆けのぼって
世界に一つだけの春を 降らせてくれた
薄紅色の優しい風が吹いた 二人をつなぐように

未来を欲しがってごめんね
キミとの今が僕の 生きる意味の全てだよ
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