しおり

改札降りたら一車線の道
桜並木沿いに何度も歩いた
少し切りすぎた髪を気にしている
君に会える毎日は楽しかったよ

「おめでとう」の言葉を聞くと 思い出がまた込み上げてくる
何よりきっと嬉しかった 大好きな人に出会えたこと

このままこうしていたい気もしている
あやふやな未来に急かされているようで
雨に濡れている桜のつぼみも
次の春の北風が吹けば咲くだろう

「さようなら」の言葉を今 校舎の窓につぶやいてみる
僕は何かを残せたのかな あの教室と君の心に

君を想えばいつも心の時間が止まる
いつまでも同じ場所にはいられない

「おめでとう」の言葉が包む 大人びてきた君と僕とを
もうすぐきっと旅立ちの時 別々の道歩いてゆくね

「卒業だね」と「また会おうね」と手を振る君が遠くなってゆく
春の陽ざしに負けないように 精一杯の笑顔届けよう
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