冬の唄 -New Version-

“しん”とした冬の朝、降り出したその雪は、
見慣れた景色を午後には白くしていた。

弱虫だったあの冬の日、強さの意味さえ知らなかった。

踏みつけられたこの雪の上にも、また新しい雪は積もるだろう。
汚れかけた僕の心さえも白く染めてく。

眩しい制服の白すぎる残像が、
藍色の冬服を少しだけ地味に見せてた。

泣き虫だった君はまだ、強さの意味さえ知らなかった。

踏みにじられたその心の中にも、また真っ白な雪が積もるだろう。
そしていつかその傷跡さえ隠してゆく。

雪解けの校舎に明かりが灯れば、見慣れぬ景色にこの胸 高鳴る。

踏みつけられたこの雪の上にも、また新しい雪は積もるだろう。
汚れかけた君の心さえも白く染めてく。

儚き雪のその無垢な白さと、うつむいたまま過ごしたあの冬を、
僕はそっと胸にしまい込んで唄にしてゆく。
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