月のうた

森で見かけた 大きなシカが こちらを向いて 消えてった
洞穴の中に 落ちてきた 三つの光がとびちった
二人で決めた あの願い事 笑う君の 思い出と
君からもらった 枯れたユーカリが 戻る場所さがして 泣いている
ざわつく草は 大きな海で 二人はぽつんと迷い船
今夜ばかりは手をつなぎ 二人で一緒に帰り道

鳥のうた 月夜にしみこんで ぼんやり光った 魂が
炎の記憶を 吹き込んで 二つの時間があわられた
石ころ蹴っては 遊びつかれて そろそろお家へ帰りましょう
しげみの向こうの光る動物が こちらを見ている帰り道

夕暮れ時は 風の国 二人で見たよね ほうき星
橙色に光る電灯が 昔の時間を燃やしてる
無数のたましい 呼んでいる
港に鳥の船 うかんでる
白い猫がね 泣きわめき
月までたどっていくのでしょう
二人で歩く 道すがら
見えない町に 迷い込んだ
いつまでつづくの この日々は
いつまでもつづくよ 君との時間
帰ってくるよ 波のように
すべてのたましい すべての時間
今宵はすべてを祝いましょう
静かな夜の帰り道
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