BOY

最後のタバコを吸う 彼の横に立った
雨が止んだばかりのベランダで

思っていたよりずっと 風が冷たくって
心細さばかり煽られた

寄り添う時間は後回しになって
いろんなことが下手だったまま
好きと言えば繋ぎ直せた日は過ぎた

BOY 見慣れたその指先の BOY 寂しさに目をそらした
BOY 静かに火を消したあと BOY 彼は部屋を出て行った

何度目だろう未だに 寝返りをうつ度
そこに居るような気がしちゃうの

少しづつ離れてく 部屋中に染み付いた
残り香のような彼の気配

慌しく過ぎてゆく日常の ほんの僅かな胸の隙間に
不意によぎる鮮やかな記憶の欠片

BOY 歩き始めた世界は BOY 新しいページめくって
BOY 何ひとつ遠慮もなしに BOY 今を塗り始めていく

BOY だから歩き始めなくちゃ BOY 次のページを手繰って
BOY 時々思い返して 時々彼を想って
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