地縛霊に恋をした

僕は2ヶ月前 このマンションに越してきた
値段の割には 広くて住みやすそうで
一人暮らしには 丁度いい塩梅だと
その時の僕は、何も知りはしなかった
最近なんだか ツカレテルのかもしれない
異常すぎるほど 左肩がなんか重い
何分かおきに カタリと物音がする
真っ黒で長い 髪の毛床に落ちてる

でも不思議と嫌じゃない 何かに包まれているようで
朦朧とする意識の中 枕元にいる君は誰 誰 誰 誰なの?

僕は地縛霊に恋をした 僕は地縛霊に恋をした
その長い髪の隙間から覗く笑顔が眩しい
解けない金縛り 軽く触れた唇が
君と僕の境界線 冷たいね

君はいつだって 僕のことを見ているね
風呂場の中にも 入ってこようとするね
気付かれてることに気付いていない君は
とても可愛くて 胸に爪を立ててくる

叶わない恋なんて するだけ苦しいだけなのに
朦朧とする意識を全部 蹴飛ばして君をこの手で抱きしめたい
嗚呼 それだけなのに

僕は地縛霊に恋をした 僕は地縛霊に恋をした
その長い髪の隙間から覗く悲しそうな顔
頬をつたった涙さえ 触れられないもどかしさ
君と僕の境界線 壊していい?

嗚呼 嗚呼 こんなに愛おしくて 嗚呼 嗚呼 こんなに欲しいのは
もうこの先出会えない気がしたんだ
後悔なんてしてないよ 準備はできた怖くないよ
もうすこしだけまっててね

僕は地縛霊に恋をした 僕は地縛霊に恋をした
鈍くなる呼吸の中で 君は笑っている気がした
解けない首元に お揃いの愛の形
君と僕の運命線
嗚呼 重なり合った唇もすごく冷たいんだね
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