ワンダーテイル

金色の陽だまりに寝そべる視線を
横切る白い何かの正体が知りたくて
少し不可思議な物語の始まり

チクタクと走る針を追いかけ 急いで
ちぐはぐな言葉並ぶ どこか歪んだこの世界では
感じるまま 心のまま 飛び込んだ者勝ち

扉の先 遠くに見えるのは花園
開く鍵は高いテーブルの上で届かない
したり顔の猫は足跡残し消えた

ポロポロと落ちる涙の池に溺れて
飲み干した毒はやがて流れ着きわたしを変えてしまうの

ヒリヒリと痛む傷には甘い蜜を垂らして
ため息もわたしを惑わすもの全て紅茶に溶かして

チクタクと回る針を追い越して 気付いた
鮮やかな色で染められた見せかけの赤いバラなんていらない
目を凝らして 見極めるの 色とりどりな明日を
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