輪舞曲

貴方は私の所有物にはならない
きっと誰の所有物にも
浮ついた気持ちで
遊んでみただけ
一寸だけ…

嘘つきは明後日の方へ
笑みと一緒に脱ぎ捨てて
パズルは得意じゃないから
もう一度バラバラにはしないで

滲んだ匂いが教えてくれる
今夜、貴方はここには来ないと
帰したわけじゃないんです
ただ返してあげただけ

貴方は私の所有物にはならない
きっと誰の所有物にも
浮ついた気持ちで
遊んでみただけ
一寸だけ…

踊る街路樹が告げる
予告なしの木枯らしに
溜息も出やしないの
赤いピンヒールで横切ったるわ
御免遊ばせ

長い髪は一つ束に
季節外れ七分丈
流し目でビルを睨む
柔い口約束で裏切ってるわ
所詮顔だけ

不甲斐ないなんて言葉には
騙されない 覚悟を決めて
なのにねこんな寒空に
今一度淡い期待を抱いて

霞んだ視界は昨日とは違う
もう、別に必要じゃないと
買えないものがあるんです
それを今 返してほしいだけ

私も誰の所有物にもならない
じっと息を潜めて
浮ついた気持ちで触ってみただけ
一寸だけ

きっともっと近づける
もう一人の私が言う
もう蓋をしめなさい
赤いピンヒールは飾りなのよ
御免遊ばせ

狭い路地を曲がったなら
指折り数える運命
裸足で良い靴はいらん
元も子もないそんなの解ってるわ
一人黄昏れる
×