夜明けの光をあつめながら

突然の興味に降られて
慣れない道の果て見つけた空は
あくる年は同じようで
だけど何も等しくはない

傾ぐ星を指折り数えては
逸る時間を睨んだ

夜明けの光をあつめながら
高鳴る明日をさがして
白く染まった溜め息 そっと泳がせる
冷え切った鼻先あたためて
明日の方へ影は伸びてく
だけど動けない僕は
昨日の波につま先を浸してる

カレンダーめくるより早く
朝はやってくる 何食わぬ顔で
もういくつ眠れば なんて
まっすぐには思えなかった

ねえ あと何度
名前を呼び合えるんだろう
そんなことばかり

夜明けの光を見つめながら
ぼやけた明日を拭って
誰も聞こえない囁き そっと泳がせる
かじかんだ指先はそのまま
ポケットの中で 煮え切らず
まだ動かない僕の中の時計

波は優しく誘って
ここにいても 良いと言う
心も体もひどく潤む
水音が僕を待ってる

昨日の波音を聞きながら
高鳴る明日をさがして
波に埋もれたつま先 そっと泳がせる

夜明けの光をあつめながら
高鳴る明日を仰いで
今動き出す僕は
乾いた砂に足跡を残してく
やがて消えてしまっても

夜明けの光をあつめながら
高鳴る明日へ
昨日の波音を聞きながら
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