情炎

あなたに初めて 逢ったのは
二丁目の小さな酒場です
おとことおんなが幸せに
はぐれて出逢うところです
あなたの暗い 暗いひとみに
もうすくえない 不幸をみました

何にも語らぬ 人なのに
傷ついた過去(むかし)が分ります
あなたにつくして 人並みに
ぬくもる夜がふけて行く
あなたの暗い 暗いひとみに
ひきずりこまれ 私は燃えます

何にも捨てるものもない
何にものぞむものもない
おつりの様な人生なのに
愛しています 愛しています
哀しいくらい 愛しています

このまま幸せ つづくとは
二人とも思いはしてません
今夜が幸せだったなら
このまま死んで悔いはない
あなたの暗い 暗いひとみが
そっとささやく 小雪の夜です
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