盛り場

夜はだれでも みなし子だから
話相手が ほしいのです
風にころげる 枯葉のように
きょうも来たひと 酔っていた
あゝ裏町の あゝ盛り場は
涙のかけらを すてる街

ここへ私も 一年住んで
他人(ひと)の情に 触れたのです
生きてゆけよと 夢半分を
くれたあなたの 手の熱さ
あゝ裏町の あゝ盛り場は
母さんみたいな 愛もある

胸が苦しい この呑みすぎは
レモンかじって 醒ますのです
いまはひとりの 私にだって
おとぎ話じゃ ない春が
あゝ裏町の あゝ盛り場は
ギターが夜ふけを つれて来る
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