時計

街が見下ろせる部屋の片隅で 老人は死んだ
よみがえる思い出 あいつとの喧嘩 芽生えた友情

初めて飲んだ酒の苦さ 勝利と挫折 結婚
その部屋には古ぼけた時計
錆び付いた音で そっと時を刻んでいた

時計だけは知ってる 恐れることも知らずに
輝き駆け抜けた青春の日と
時計だけは知ってる
決まって夜になると 自分に話しかけてくる
老人の淋しさを

大切な者を守るため 彼は働き続けた
妻のその笑顔 子供たちの未来 そして安らぎ

でもくいちがう現実と夢 旅立ち 誰もいない部屋
曇った夕日見つめながら彼は
ただひとつ深い 深い溜め息をついた

時計だけは知ってる 毎日欠かす事なく
ネジを巻きに来る彼の願いと
時計だけは知ってる
決まって夜になると 自分に話しかけてくる
老人の悲しさを

時計だけは知ってる 毎日欠かす事なく
ネジを巻きに来る彼の願いと
時計だけは知ってる
決まって夜になると 自分に話しかけてくる
老人の悲しさを
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