情炎

どうせあんたは 他者(よそ)のひと
夜明け来る前 帰るひと
窓をたたいて 風が言う
そんな男(やつ)とは 「別れな」と
涸れたはずでも 泪でて
月日数えて 振り返る
世間どこでも あるような
こんな恋でも 私には
夢ならこのままで 花なら枯れないで
このまま帰らずに このまま傍にいて

きっとあんたの 心には
棲(す)んでないのね 私など
別れ言葉は 持ってても
逢えば消えます ねえあんた
ポロリポロリと 冬の宿
残る足あと 雪の中
窓に映した 明日みて
いつも思うの 今日かぎり
夢ならこの続き 雪なら溶けないで
このまま帰らずに このままここにいて

女の情(なさけ)とは 死ぬまで炎(も)える事
このままうそついて 死ぬまでうそついて
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